金需要動向 WGC2024Q1
2024年第1四半期の金需要動向について説明します。世界経済の減速が続く中、投資家の資産価値保全への関心が高まり、金の投資需要が前年同期比で増加しました。一方、ジュエリー需要は緩やかな伸びにとどまりました。
まず、金の投資事業は16%増加し、573.2tに達しました。投資家は景気減速や金融市場の不確実性を背景に、安全資産としての金への需要を強めました。先進国と新興国双方で金に対する投資が活発化しており、ETFへの資金流入が投資事業の主な押し上げ要因となりました。
一方、ジュエリー事業は前年同期比1%増の459.0tにとどまりました。中国とインドでの需要増加が寄与したものの、欧米諸国では高インフレによる実質所得の低下から需要が伸び悩みました。ただし、インドの婚姻需要回復や中国の経済再開による需要増加の兆しも見られました。
産業用需要は電子機器分野での需要減少から、前年同期比3%減の81.2tと軟調に推移しました。中央銀行の金買い付けは、多くの中央銀行が為替リスク軽減を目的に基準日を積み増す中、前年同期比28%増の199.1tに達しました。
以上のように、2024年第1四半期は投資家のリスク回避姿勢から金投資需要が増加する一方、ジュエリー事業は力強さを描きました。需給ギャップの拡大に伴い、金価格は上昇基調が続いています。
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